100年以上の伝統を受け継ぐ豆腐店
大津市にある、古くからの商店や趣ある家屋が並ぶ町。
その町並みにある一軒のお豆腐屋さん「西田豆腐店」。なんと大正2年創業から今年で105年目を迎える大老舗のお店なんです。
こだわりぬいた”究極の大豆”で作る伝統の豆腐
伝統の製法で作るこのお店の豆腐は、大豆本来の旨味を最大限に活かしたもの。
舌触りはとっても滑らか。昔、実家の食卓で並んでいたような、どこか懐かしく安心感のある美味しさなんです。
包装パックなどに入れて売らず、すべて手売りで販売されています。
訪れるお客さんは、皆ボールや鍋を持って買い物に来るのだとか。
このお店では、滋賀県大津市産の「コトユタカ」という大豆のみを使用しています。
クセやアクがないのが特徴で、しっかりと弾力ある豆腐に仕上がり、さらに油揚げにすると張りのある食感になるのだそう。
大豆はたとえ同じ産地、同じ土でも、その年によって作物の出来は違うもの。
季節だけでなく、その日の朝や夕方によってもその扱い方は違ってくるのだそう。その繊細な微調整こそが美味しい豆腐を作る秘訣なんだとか。
水につけた大豆をすりつぶし、加熱、それを布で漉し、ろ過分離を行います。
このときにできるのが豆腐の元となる「豆乳」。そして、栄養たっぷりの絞りカス「おから」です。
この作業も今では機械化しているお店もあるそうですが、ここでは先代から受け継いだ伝統の製法・道具を使って、すべて手作業で行っているんです。
絞りたての豆乳からはふっくらとした湯気が立ち込めます。
とろりとした豆乳を一口いただくと、濃厚な大豆の風味がまったりと口いっぱいに広がり、なんとも慎み深い甘みと香りが漂います。
まだ太陽の昇りきらない早朝からこの絞りたての豆乳を求めて、タンブラー持参で訪れるお客さまも多いのだそうです。
守り続けるは長い伝統と、家族の笑顔
こちらが当代の西田宗隆さん。
100年以上も続く秘訣を聞いてみると、「コツコツとまじめに取り組むことですね」と笑う西田さん。
長い歴史を持つこのお店で先代からの伝統を受け継ぎ、手がける技術はまさに”匠の技”。引き継がれる想いと伝統製法を守り続ける中、作り上げた「おぼろ豆腐」は西田さんが生み出した至極の一品なんです。
「ウチが売っているのは、豆腐と、油揚げ。それと…”人柄”です!」と豪快な笑顔を見せてくれました。
店先では、奥さまと娘さんも一緒に豆腐作りをしています。
奥さまが作る「豆乳プリン」はとてもヘルシーで、豆腐の甘みを最大に活かした絶品スイーツ。
家族で豆腐作りを行うことについては、
「うるさいし、やかましい。けれど、そこに安心感があるんですよね」と話す西田さんからは、家族との深い絆と愛情が垣間見えました。
先代からの伝統と想いを受け継ぎ、家族の笑顔を守り続ける「西田豆腐店」。
大昔から地域に愛される味を求めて、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
基本情報
スポット名 | 西田豆腐店 |
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住所 | 〒520-0032 滋賀県大津市観音寺12-35 |
電話番号 | 077-524-6949 |
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■お店からの一言: